
他の主要消費者金融の多くが東京大阪といった主要都市で創業されたのとは対照に、ニッシンは四国の愛媛県松山市で創業されています。その後、東京と名古屋に本社機能を移し、上場会社にまで発展していきました。竹内力がCM出演していたのも有名な話です。
テレビコマーシャルの宣伝コピーは「ニッシンはあなたの力(りき)になりたい」というものでしたが、その後業績不振に陥り、2012年には民事再生手続きを申し立てて破綻してしまいます。
- 1960年 5月:愛媛県松山市にて株式会社日新商事として創業
- 1972年 1月:消費者金融の取り扱いを開始
- 1981年 1月:商工ローンの取り扱いを開始
- 1990年 1月:株式会社ニッシンに社名を変更
- 1994年12月:株式を店頭公開
- 1996年 9月:大証二部に株式上場
- 1998年 1月:本社機能を東京に移転
- 1998年12月:東証二部に株式上場
- 1999年 4月:東証、大証ともに一部上場指定
- 2002年 4月:ニューヨーク証券取引所へ上場する
- 2002年 4月:大証上場廃止
- 2002年 7月:保有していたwebキャッシング・ドットコムをアイシーエムに売却
- 2004年 4月:消費者金融債権をオリエント信販に売却
- 2006年10月:社名をNISに変更し、上限金利を18.0%に引き下げる
- 2008年10月:ニューヨーク証券取引所上場廃止する
- 2010年12月:債務超過に陥り、貸金業法改正以降の純資産要件が満たせなくなったことから、貸金業を廃止
- 2010年12月:東証二部指定に降格
- 2012年 5月:民事再生手続きを申し立てる
- 2012年 6月:東証二部上場廃止
- 2012年11月:破産手続き開始決定

1999年当時の企業データ
- 東京本社/〒163-1555 東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー15階
- 松山本社/〒790-8584 愛媛県松山市千舟町5-7-6 ニッシン本社ビル
- 代表者/嵜岡秀夫(さきおか・ひでお) 創業/昭和35年
- 持株比率/日新ビル(13.71%)、(有)秀邦(13.42%)、嵜岡秀夫(8.22%)、嵜岡邦彦(2.59%)、ボストン・セーフ・デポジット(2.50%)、coノミニーズ(2.44%)、住友信託銀行(2.37%)、徳島銀行(2.33%)、嵜岡進(2.01%)、森山みどり(1.86%)
- 従業員/772人 男370人(27.1歳)、女402人(24.5歳)
- 資本金/56億8,803万円 売上高/265億2,927万円
- 事業内容/貸金業 営業所・支店/国内60カ所
- 初任給/大卒総合職22万7110円(地域手当2万円含む)
- 賞与/98年冬3.0ヵ月、99年夏2.0ヵ月
- 勤務時間/9:00〜18:00
- 休日休暇/年間122日、有給休暇、初年度10日・最高20日
- 99年度採用実績/大卒174名(文系174人、理系4名)、短大卒27名
テレビコマーシャル
現在、消費者金融のテレビコマーシャルは2006年の貸金業規制法改正により、各社月間100本以内、午前7時から午前9時までの間と午後5時から午後10時までの間は放送できない決まりになっていますが、それ以前はゴールデンタイムの時間帯に頻繁に消費者金融のCMが流されていた時代がありました。
この時代のテレビCMによって利用者が急増したと言われていますが、これによって多くの多重債務者や自殺者を生み出したことも忘れてはなりません。
1999年消費者金融金融融資残高ランキング
1999年は消費者金融業界が最も勢いに乗っていた時代です。各業者とも顧客を増やし、過去最高益を出していた一方で、過剰融資により多重債務者や自己破産者が増えていった時代です。

武富士(1兆3,412億円). 当時の上限金利27.375%

アコム(1兆2,064億円). 当時の上限金利27.375%

プロミス(9.766億円). 当時の上限金利25.550%

アイフル(5,392億円). 当時の上限金利29.200%

レイク(4,188億円)

アイク(4,188億円)

三洋信販(2,252億円). 当時の上限金利29.000%

ディックファイナンス(2,084億円)

ユニマットライフ(1,659億円)

日立信販(1,601億円)

シンキ(1,323億円)

三和ファイナンス(1,064億円) 
ニッシン(975億円)